ヘビースモーカーで大酒飲み、さらに肥満―。
こんな不健康な生活でがんなどの危険性がどれだけ高まるか厚生労働省研究班が試算したところ、がんで2.4~3倍、脳卒中や心筋梗塞などの循環器系疾患で4倍以上との結果が出た。米予防医学雑誌の電子版に発表した。喫煙や飲酒とガンなどそれぞれの関連性は知られているが、今回初めて組み合わせて分析した。
研究班は平成2~5年、全国の男性約4万5000人の生活習慣を調査。15年末までに3398人ががんになり、1638人が循環器系疾患を発症した。 喫煙本数や飲酒量、肥満度でグループ分けしたところ、罹患・死亡のリスクが最も高いのは喫煙1日40本以上、飲酒1日に日本酒2合以上、肥満度=体格指数(BMI)30以上のグループで、最も低いのは非喫煙、飲酒週1回未満、BMI25~27のグループだった。
各グループが今後10年間にがんになる確率を、予測モデルを用いて5歳ごとの年齢で推計。50~54歳男性の場合、最も不健康なグループは8.4%で最も健康なグループの2.8倍だった。
(「産経新聞」2009年1月31日朝刊より転載)