中国医学は、他の病気を治療しようとするのと同じように、がん患者を前にしても単に腫瘍だけに注目するのではなく、全身的な対応を考えるという特徴を持っています。
悪性腫瘍は全身性疾患の一つであり、病巣と身体は邪と免疫との対立関係にありながら同じ人間に発生した統一関係をもっていると考えるのです。
腫瘍の発生やがんの進行と、生体の抗がん能力とは互いに拮抗しています。すなわちシーソーゲームを繰り返します。また局部の腫瘍は全身の機能にさまざまな影響を及ぼすため、多くのがん患者は局部治療だけで完治することはありません。従って、がんの治療中には、腫瘍を取り除くばかりでなく、身体全体ががんに対抗する能力、すなわち免疫力を高めることがより重視されるのです。
腫瘍を除去する、あるいは進行を抑えることにより全身状態の改善が達成され、さらにがんに対する免疫力が強まれば、がん細胞の増殖、正常な組織への浸潤や転移を抑制することができます。それは、中国医学が古くからもっていた考え方にほかありません。
この中国医学の考え方は、少なくともがんについてはきわめて先進的であるとの印象を受けます。実際そのとおりであり、がんとは腫瘍局部のみに注目して癒せる疾患ではなかったのです。
腫瘍を生じざるを得なかった全身状態の改善を棚上げしていたら、仮に腫瘍は除去できたとしても、その後の再発・転移の経過が避けられなくなってしまうのが必然的な成り行きでした。
中国医学の論理に基づいて開発された抗がん漢方薬天仙液は、漢方によるがん治療の先駆といっても過言ではありません。
ーがんの治療の壁を打ち破ったのはやっぱり漢方だった!(メタモル出版より)ー